人生とは・・・死ぬまでの暇つぶし・・・とか悟っちゃったりなんかしたりして。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
当時、かなり各種メディアでも騒がれたので、ご存知のヒトは多いでしょうネ。
あたしはというと、興味はひかれたのですが、ラノベっぽいつくりになんとなく嫌悪感を感じて、結局、手にとることはありませんでした。
でも、2時間のダイジェストなら、ぽけーっと座って観ててOKかなと今回いってみました、、、w
※↓公式サイトはコチラ。
http://www.tenchi-meisatsu.jp/
今回は特にネタバレなしです^^
一言で言うと、淡々とした映画でした。
時は17世紀後期。江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の時代。
職業・碁打ち、趣味・数学&天文という、草食系オタ道まっしぐらの安井算哲くんがこの映画の主人公です。
安井家が江戸の囲碁四大家元の一つという超名門だったことから、彼は幕臣に召抱えられ、やがて幕府の改暦事業に関わっていきます。
当時、我が国の暦は、中国からの輸入品をそのまま使用していました。
宣明暦という暦で、成立は中国の唐王朝の時代。※中国では9世紀前期に運用開始。そして、9世紀末には改暦されて使用されなくなります。
我が国には9世紀後期にもたらされて運用が開始されますが、、、その後の遣唐使の廃止などで我が国が中国との外交関係に距離を置き始めたことと、中国自身も冊封体制の強化により冊封域外への暦の禁輸を強化したことなどから、政治的理由で最新の中国暦の導入が困難になり、そのまま延々と17世紀の終わりまで使用されてしまいます。
宣明暦そのものは完成度の高い暦だったのですが、さすがに800年以上も使い続けると誤差の蓄積が進み、江戸時代に入ると実際の天体観測結果と比較して2日先行していることが明らかになります。
また、朝廷の権威の低下や戦国時代に進んだ各地方の独立志向により、各地で独自の「修正版宣明暦」が使われ始め、地方ごとでも暦がずれるというカオスな状況が発生します。※閏月の挿入の有無とかのズレがあったそうなので、現代でいえば、東京は10月にはいったのに大阪はまだ9月とかいう混乱があったようですネ。
正直、暦が実際の天体運動より2日先行していても、あたしからすると
それくらいスルーで良いんじゃないの??w
と思ってしまいますが、これは自然との交わりが薄い都会の現代人だからなのでしょうネ^^;
農業を行なう人や宗教的な儀式を行なう人からすると、実際の冬至・夏至などが暦とずれることは大きな問題ですネ。
現在は政教分離の気風が社会にいきわたっていますが、それ以前の世界では、政治と宗教はその根本の意識において密接に結びついていてます。
つまり、政治も宗教行事も神(=天)に対する捧げものであり、天体の運動に合わせてきっちりと行なうことは人間に課せられた使命であって、間違った暦を使うことは神に対する不敬であり、神の意思にそぐわない政事は天下が乱れる原因となる・・・という当時の学者達の「良識」をまず念頭に置かなければ、主人公たちが命を賭けて改暦事業に取り組む使命感が、いまひとつピンとこないと思います。
というわけで、この点を事前に抑えておくと、一味違う鑑賞感になると思いますネ。
この映画の味わいは、「刀を差した学者さん」の物語というところです。
人斬りのシーンがほとんどなく、殺伐としたお侍さんも出てきません。
算術を愛し、天文を愛し、子供のように真理という名の美を追求する、とても可愛らしいお侍さん達が登場します。
でも、学問を真剣に追及するゆえに、ここぞ!というところでは、侍の本質とでもいうべき「命を懸ける」執念がハラリと見えてしまうところが、なんとも愛らしくまたカッコよすぎです。※特に北極出地のシーンは、あたしのお気に入りです。
江戸時代とは、侍が刀を他のものに持ち替えて侍精神を発揚したことが、社会を動かす巨大なエネルギーになったんだなぁと、ちょっぴりあたしは感激してしまいました。
上映時間は、わりと長めの2時間40分くらいです。
でも原作がかなりボリュームがあるためか、どうしてもあらすじをなぞっている感があって、全体としてはやや散漫な印象を受けます。
なので、万人受けとはちょっと言い難いですネ。
でも、
江戸時代が好き
天文が好き
エリート草食系イケメンが好き ←わりと重要w
な人なら、楽しめると思います。
デート用としてはどうかな??と思うところもありますが、相手が上記の条件に合うのでしたら悪くはないと思いますヨ。
ちなみに、あたし個人はまあまあ楽しめました。なので、佳作といったところです。
この作品を契機に、江戸時代を舞台にした非チャンバラ映画が、もっとたくさん作られればいいなぁと思います。
尚、ヨーロッパでは16世紀半ばに現在も使用されているグレゴリオ暦が作られますが、それまでは紀元前に作られたユリウス暦(※古代ローマのカエサルさんが制定w)を延々1600年以上も使い続け、10日間も暦のズレが発生していよいよ問題になって改暦した、という歴史を考えると、、、劇中の宣明暦の800年で2日のズレはかなり高精度であることと、2日のズレで改暦に邁進する算哲くんは、けっこう潔癖症ネとあたしは思いましたw
※改暦は徳川幕府による政治的な目的があるので、誤差の蓄積だけが問題となって改暦されたわけではないのですけれどネ^^;
最後に、、、
算哲くんのお話もよかったけれど、お友達の本因坊道策さんがどんな囲碁人生を全うしたのか、誰かそっちも映画化していただけないでしょうか・・・!
※すげー気になるんですが!w
11 | 2024/12 | 01 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |
小さいときから本と映像作品の虫。徹底的インドア派。
今も映画・アニメ・マンガ・PCは大好き。歴史・SF・メカ・生物・ミリタリーなど全般に光速の食いつきをみせる。
このブログは、あたしの物欲・知識欲・性欲によって支えられていますw