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アクアリストとエサ ~インフゾリア編
皆さん、こんにちは。
今回もアクアリウムのお話です。

あたしは数ヶ月前からラミレジィの繁殖に挑戦しています。
試行錯誤しながら、最初にとった仔がやっと30日を超えたあたり。
体長はまだ小指の爪ほどしかありませんが、孵化した直後のひ弱さからずいぶんたくましくなってくれて、だいぶ気楽に見守ることができるようになりました。

ラミレジィは繁殖が比較的容易な種として、繁殖入門魚っぽい扱いがされたりもします。
実際、複数匹をただ育てているだけで勝手にペアを作ってくれて産卵し、孵化までしてくれることも珍しくはないので、繁殖というか魚が自力で殖えてくれたというほうが正解なのですが(^^;。
ただ、問題は孵化した後なので、飼育者が何も手当てしないまま放置すると、仔が巣から自由遊泳したあたりでみるみる数が減り始め、数日で全滅してしまいます。
理由は簡単で、仔が食べることができるエサが水槽内には不足しているためです。

じゃあエサを用意してあげれば問題解決じゃん!
となるわけなのですが、これが、、、。

拍手[8回]




一般に、熱帯魚の繁殖で稚魚用のエサとしてよく使われるものが、ブラインシュリンプという生き物。
アクアリウム業界では学名のアルテミアという呼称もよく使われますネ。
ブラインシュリンプもアルテミアも知らねーなー
というひとは、シーモンキーと言えばわかるかも?
でも最近はシーモンキーもあまり聴かない気が、、、。
「原始鰓脚類飼育セット ジュラ伝説」という観察キットがニチドウさんから出てますが、シーモンキーの記載はなかったので、商標上の問題があるのかもですネ。

とにかく、アルテミアの乾燥卵を2~3%の濃度の塩水に浸して24時間ほど放置すれば、卵からアルテミアの幼生が出てくるので、それを稚魚のエサとして与えるわけです。
嗜好性が高く、孵化して時間がたってなければ栄養価も高く、乾燥卵は冷凍すれば2~3年保存しても高い孵化率を維持してくれるという、アクアリストにとても優しいアイテムなのですが、なんとラミレジィの場合、稚魚のサイズが小さいため、アルテミアの幼生ですら口に入らないという強烈に遺憾の意を表明せざるをえない状況に直面するのです。

そこで使用されるのが、インフゾリアと呼ばれる生物群です。
元々、インフゾリアという言葉は、生物分類学で使われていたレッキとした学術用語だったようですが、研究が進んだ結果、あまり適切な分類とは見なされなくなってしまったようで、前世紀の中ごろあたりから学問の世界ではほとんど使われなくなってしまった呼称のようです。
ただ、アクアリウムの世界では、他に代わる呼称が導入されず、今でもバリバリ現役の言葉です。
アクアリウムの世界では、
肉眼では群集を霞のように見ることはできても、ひとつひとつの個体を視認するためにはルーペまたは顕微鏡が必要な主に動物性の原生生物
というもやっとした意味で使われることが一般的ですネ(^^。
具体的には、ゾウリムシ、ラッパムシ、ワムシなどの総称という感じです。
※アクアリウムにおいては、ゾウリムシがもっとも一般的なため、以後、インフゾリア=ゾウリムシとしてお話しますネ。

自然界ではこれらの水中生物は空気のようにありふれた存在なのですが、水槽の中にはあまりいません。
なので、特別に培養をしてあげる必要があるのです。
エサとして活用するためには、インフゾリアが異常に高密度に大繁殖している状態を実現しなくてはならないわけですが、これらの生物にとって理想的な環境は、魚のような高等な生物は生存できないような劣悪な水質だったりします。
インフゾリアは原生生物といえ、ミクロの世界では活発に動き回る「捕食者」です。狼には羊が必要なように、インフゾリアにも『羊』が必要なわけで、菌類がそれにあたります。
ただの水では菌類は大繁殖できないわけで、エサを投入し、それを分解させることで菌類大爆殖⇒インフゾリア大繁殖という連鎖を実現するわけです。
エサを菌類に分解させると言えば聞こえはいいですが、一般にはこれは腐敗と呼ばれるわけで(^^;、お腐れ水を作るわけですネ。そしてこれを培養水とします。
そして、そこにインフゾリアを投入します。残念ながら、インフゾリアは空気中に種があったりしないので、「インフゾリアが含まれる水」を培養水に入れてあげる必要があります。
近くに川や池があればそこから水を持ってきてもいいですネ。水槽の飼育水の中にもいたりするので、それを使ってもOKです。
ただ、どこの水を使うにせよ、事前に顕微鏡などで中の生物を確認しておくことが重要です。採取する環境によってはぜんぜんインフゾリアがいなかったり、または余計な生物が大量に入ったりしますから。
こうして培養水を数週間維持しつつ、どんな生物が殖えてくるか観察を続けるわけです。

あたしの場合、以下のようなやり方です。
培養水・・・塩素を中和した水道水に、レタス屑をいれます。または、屋外から拾ってきた枯葉や枯れ草に中和した水道水を加え、鍋で沸騰するまで煮た後、草ごと熱湯を培養用の容器に入れ、常温まで冷やします(※鍋のままで冷えるまで放置しても使えないことはないのですが、雑菌を滅菌するために煮沸させるので、間をおかずに容器に入れたほうがベターだと思います)。もちろん、鍋はこの作業専用のものを使いましょうw
ちなみに後者の滅菌処理つきのやり方は、研究機関等で使用される方法で、培養水内の菌を特定の種に統一したい場合に使われます。※滅菌といっても完全にすべての菌が死に絶えたわけではなくて、高熱に耐える特定の菌だけが生き残っています。
もちろん、その方が洗練されたやり方ですが、アクアリウム目的の場合、培養水内の菌環境に厳密さは求められないので、滅菌処理なしの方法でも問題ないですヨ。
尚、レタス屑も枯葉もインフゾリアのエサではなく、インフゾリアのエサの菌類のエサというところが重要です。
容器・・・密閉できる蓋つきのもの。転倒事故で培養水がこぼれると大変なことになるので(^^;。
形状は特に問いません。好きなものを使ってください。
あたしは入手しやすさや処分のしやすさから、350~500mlサイズのペットボトルを使用しています。
丸よりも四角で、表面の凹凸が少ないものにしておいたほうが、後々の観察の時に幸せになれると思いますヨ。
尚、インフゾリアも酸素を消費しますので、容器いっぱいに培養水をいれてはいけません。容量の2/3以下にしておきましょう。
種インフゾリアの・・・これは培養水によってタイミングを変えます。水道水にレタス屑の場合は、すぐに入れてしまうことが多いですね。これはインフゾリア投入というよりも菌の投入という感じです。煮沸した場合は、いきなり投入するとせっかくの滅菌が台無しなので、3~4日してから投入してます。
培養・・・直射日光の当たらない環境に静かにおいておきます。1日に1~2回、蓋を外して空気の入れ替えを行ないます。蓋を開けて10分放置とかで問題ないと思います。
注意すべき点は、蓋をしてあるからといって、容器を雑に扱わないこと。
倒したり振ったりとか論外です。培養水が動揺しないようにそーっと扱いましょう。
培養水が頻繁にかき混ぜられると中の環境が安定せず、何週間待っても何も殖えないなんてことが起こります(^^;。※培養水が汚濁しまくりになって、仮に何かいても観察すら難しい状態になります。
あたしなりの推測ですが、培養水の上層・中層・下層で沈殿物や酸素の濃度に違いが出るので、それぞれの環境に適した菌が異なる活動をしているのかもしれません。
培養水の水温は、冬であっても室内であれば常温で問題ありません。でも低温だと増殖スピードが落ちるので、急いで殖やしたい場合は、容器を水槽内にセットして温度を上げてあげましょう。
まだ夏場は未経験ですが、さすがに常温は無理だと思うので、水槽の温度管理に準じる必要があるかと思います。
種インフゾリアの投入から1週間経過してもめぼしい変化がない場合は、もう一度種を投入して観察を続けます。
観察・・・日常の観察は40倍くらいのルーペで可能です。LEDライトつきのものがオススメです。
そのままでも充分観察できますが、より鮮明に観察したい場合は、ルーペのLEDを消して、ペットボトルの反対側から照明を軽く当ててあげるとイイ感じになります。
タイ米のように細長い白いものが動いているのが見えたら、ゾウリムシです。※やっぱりゾウリムシがもっとも活動的なので、他のインフゾリアを圧倒して殖えるようです。
ただ、ゾウリムシがそれなりに殖えた状況でなければ、ルーペでは観察しにくいです。
特に何も殖えてるように見えないな? という状況の場合は、より高倍率な観察機器を用意して観察してみたほうがよいかもしれません。2000円以下で買える100~300倍くらいのスコープや学習教材のチープな顕微鏡でもそこそこ役には立ちます。※使い勝手はすごく悪いですがw
濃密にゾウリムシが繁殖した場合、光にかざすだけで培養水中にキラキラ光る細かい粉が舞っているのが肉眼視できるようになります。すべてゾウリムシですw こうなるともうルーペも必要なくなります。
維持・・・ゾウリムシが大繁殖しているということは、エサの菌類はもっと大増殖しています。そのままの状態が維持された場合、最初に投入した菌類用のエサ(レタス屑など)は分解されきってしまい、エサが尽きてしまいます。なので、適当なところでエサを追加投入します。レタス屑や枯葉の追加投入でOKですが、砕いた氷砂糖をごく少量(耳かき一杯分)でも維持できちゃったりします。培養地に使えるものなら何でもOKなはずなので、いろんなものを試してみる価値はありますネ。
個人的には、実際にエサとして使用する場合、スポイトを突っ込んで吸い取るため、培養水の水面やその付近に浮いてしまうレタス屑や枯葉は、できればあまり投入したくないものです。※吸い取るときにジャマ(^^;
固形物のエサはもっと研究してレパートリーを増やしたいですネ。
また、エサとして活用していると培養水がどんどん減っていきますので、水の追加も必要です。中和した新しい水をいれてあげたり、少量ならば水槽の飼育水でもOKです。
エサを追加するときもそうですが、いったん培養水中の菌の生態系が完成すると多少の雑菌が入り込んできてもビクともしなくなります。
うまく殖えてくれないとき・・・あまり焦らずにじっと待ちましょうw
あれこれいじってもダメなときはダメですw
なにか条件を変えても、菌の増殖が改善⇒ゾウリムシの増殖が改善、と目に見える変化が出るまで1週間くらいは待ってあげる必要があります。
同じ培養水を使って同じように扱っているつもりでも、まったく殖えない容器と大爆殖する容器が発生することもあります。複数の容器を用意して、比較しながら観察することも重要です。
あたしの場合、4本のペットボトルで培養しています。うち1本は一週間ほどで速やかに増殖してくれましたが、残りは中々殖えてくれず、数週間遅れてやっと殖えてくれました。
どうにも心が折れそうなときは培養水を捨ててリセットしますが、個人的にはセット後1ヶ月くらいは試行錯誤で増殖に転じさせることは可能だと思います。

と、このようにゾウリムシの培養はなかなか大変なのでした。
ラミレジィの場合、産卵後3日程度で孵化し、さらに3日程度で仔が自由遊泳を開始するので(※水温によって変化)、そのときにはエサとして与えなければなりません。
親が産卵行動を始めてからでは間に合わないわけで、結局、常時ゾウリムシを育ててなければなりません。
ラミレジィの繁殖の前に、まずゾウリムシの繁殖! ※自戒
これが重要です。

最近は冷凍飼料も進歩して、インフゾリア界のメジャーであるワムシを冷凍飼料として安価で入手できる時代になりました。
もっと手軽なパウダー状人工飼料も進歩していて、生きたゾウリムシに頼らなくても何とかなるんじゃないかしらと思いがちです。
しかし、実際、ラミレジィの稚魚に与えてみてもどちらもすごく食いが悪い(^^;
悲しいくらい食べてくれません。(だまされたバカw
パウダーは予想通りですが、冷凍ワムシも空振りしたのにはショックを受けました。
稚魚は本能による条件反射だけで食いついているのでしようネ、、、。なので、たとえエサの形をしていても死んでて動かないワムシやそもそも生き物ですらないパウダーは、ほぼスルーして終了なのだと思います。
なんかピコピコ動いていて、口に入るサイズのものに反応してると思います。
稚魚なので、人工飼料に慣らすための絶食に耐える体力はありませんから、もうこれは生餌一択と結論しました。
人工飼料に慣らすのは、ある程度大きくなってから! ※自戒
ホントやらかしてばかりだな!w

と落チのついたところでこの辺で。
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No Title
今日は
暑い日が続いています、お盆までと諦めています。

検索から訪問です、よろしくお願いします。
メダカを秋から飼育していまして、素人です。
メダカは良く卵を生み孵化しました、最近は卵をヤフオクで入手して楽しんでいます。

針子から稚魚化が難しく、これまで★が5割前後です、
水質なども原因と思いますが。
エサ(市販の針子用粉エサ)も好んで余り食べないので
エサも原因かもと思い訪問しました。

動機が不純ですが、与え方など教えて戴ければ有り難いです。
今、孵化後6日目と孵化待ち卵が有ります。
尚インフゾリアは明日500Lでくる予定です。

済みませんがよろしくお願いします。
  • noboru さん |
  • 2015/08/10 (09:46) |
  • Edit |
  • 返信
Re:No Title
本当に暑いですネー。
そんな中、こんな場末ブログにコメしてくれて、ありがとうです。

インフゾリアの与え方ですが、スポイトで培養液ごとポタポタと投入しています。
濾紙で濾してから与えている人もいるようですが、適切な濾紙が必要なようなので、当方では使っていません。
なるべく培養液を投入したくないので、目視でインフゾリアの濃いところをうまく吸って与える感じです。
孵化して間もない幼魚は食が細いので、一度に大量、、、ではなく、ほどほどの量を何度も、、、というのがセオリーみたいです。一日に5~6回分けてあげたりしていましたが、かなりきつかったです。このへんは無理のないペースをつかんでください。※、たぶん、今なら3回くらいであきらめるw
ちなみに、メダカとラミレジィの単純比較はそもそも無理があるのですが、稚魚化(それなりの大きさということですよね)率5割は、アマチュアでは悪くない率ではないかと思いますネ。、、、というか殖えて殖えて大変になりそう@w@
なにぶん、生き物相手のことですから、言葉でやり取りできる情報はあくまでも参考にしてくださいませ。ベスト、、ではなくても自分なりの方法を見つけてください^^
それにしても500Lってすごい量ですネー@@
  • from だって白さは愛だもの |
  • 2015/08/11 (09:32)
No Title
お盆からだいぶ涼しくなりました。
インフゾリアが11日に来ましたので早速を培養を試みて
います、入手先の説明どうりに米のトギ汁+インフ+水で
培養してみましたら5日目から白いもやもやが浮いています、
これがインフと思います。 スポイトで吸って与えてみ
ました、針子の動きを見ていると食べているようでひと安心しました。
別容器でまた培養しています(16日)、米のトギ汁使用は
匂いも微香ですから苦に成りません。
針子→稚魚が殖えれば嬉しいです。
アドバイス感謝します。メダカ新人。
  • noboru さん |
  • 2015/08/17 (10:23) |
  • Edit |
  • 返信
Re:No Title
遅レスです。ごめんなさい(^^;
うまくいっているみたいでこちらも安心しました。

お米のとぎ汁を使うというアイディアは初めて知りました。
お米の臭いなら、日本人なら異臭感が少なめで気になりにくいかもw

だいぶ暑さも和らぎました。
魚も過ごしやすい季節になってきてよかったですね^^
  • from だって白さは愛だもの |
  • 2015/08/25 (20:18)
  
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だって白さは愛だもの
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女性
自己紹介:
生まれは北海道。親の転勤によって道内のほか、東京、千葉のあちこちを引越ししたため、「故郷」という感覚が希薄な根無し草人生。現在は神奈川在住。
小さいときから本と映像作品の虫。徹底的インドア派。
今も映画・アニメ・マンガ・PCは大好き。歴史・SF・メカ・生物・ミリタリーなど全般に光速の食いつきをみせる。

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