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人生とは・・・死ぬまでの暇つぶし・・・とか悟っちゃったりなんかしたりして。

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布教活動~累
皆さん、こんにちは。
今日は久しぶりに、マンガの紹介ですヨ。

 ■ 累 / 松浦 だるま(著)

すでに今年のイチオシという評価がされつつある作品。
もう知っているというヒトも多いかもですネ。
著者は、アシスタントを経て本作でデビューしたという新人。
新人さんに似つかわしい、荒削りながらエネルギーがほとばしった作品です。


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美貌の大女優の娘、累(かさね)は、母とは似ても似つかぬ醜女としての生をおくっていました。
そのために幼いときは容赦のないいじめを受け、成長してからは「大人の対応」というオブラートに包まれた嘲りを受けて生きてきました。









母同様に演劇の道に入った累には、たったひとつの魔法がありました。
母の形見の口紅をつけてキスをすると、一定時間、相手の顔と自分の顔を入れ替えることができるという魔法。
演劇部に所属していた学生時代の彼女は、母親譲りの演技力を持ちながら、醜さによって役をもらえない鬱屈した思いを、密かに主役の子の顔を盗んで舞台に立つことで晴らしていました。
 






しかし、母のシンパだった演出家、羽生田釿互が現れたことで、累の人生は大きく動き始めます。











羽生田の仲介によって、累との接点を持った女優・丹沢ニナ。






 




天性の美貌を持ちつつも技が及ばず、鳴かず飛ばずの無名女優だった彼女は、累の魔法を知り、それを利用しようと企みます。
かくして、新進気鋭の注目女優「丹沢ニナ」という一つの人格をめぐって、二人の女が主導権を奪いあうという展開に、、。





精神が入れ替わるという話はたくさんありますが、顔だけ入れ替わるという点がこの作品のユニークさです。※正確には、顔と声が入れ替わります。
この特徴によって、この作品は独特の毒々しさ、スパイ小説のようなサスペンスが交じり合ったものになっています。
第1巻は累の少女時代が描かれるため、読んでいて心が痛む陰湿ないじめの描写がありますが、1巻の終わりに羽生田釿互が登場してから、物語のエンジンがガンガン回り始めます。
そのままイッキに3巻(10/6現在、最新巻)まで読んでしまいました。
※最初は試し読みくらいの気持ちで1巻を買っただけだったので、続きを買うために再び本屋に出かけてしまったくらいです。
ここまでの「加速力」をみせてくれたマンガは久しぶりですネ。
あたしとは、だいぶマンガの趣味が違う友人にも読んでもらいましたが「ちょっと気持ち悪いところはあるけれど面白い」という評価でした。

ストーリーの面白さは実際に読んで楽しんでもらうとして、、、それ以外の部分について思ったところを書いていきます。
まだ新人さんなせいか、絵の変わり方が激しいです。
本人の筆使いが変わったのか、アシスタントさんが入ったためか、それともアシさんの使い方がこなれたせいなのか、、、。
キャラの顔が変わるというレベルではなくて、絵から漂う空気感の違いですネ。
1巻を観たときに感じたのは、
「新人さんなのに絵が古いなァ・・・」
ということでした。
 例えば、このカット。
もう完全に水木しげるなんじゃないかと。
全体的に黒い、沈んだ感じの絵が多く、ザッザッと描いた感じの線と合わさって、ぱっと見た印象が昭和のマンガですネ。
高橋留美子の「うる星やつら」の1巻を初めて見たときの印象に近いですw

最新巻の3巻では、手馴れた感じのすっとした線になって、いわゆる今風の絵になってきています。
顔にさす影の表現など、ケバさを感じさせたアクの強さが薄れて、万人受けしやすい画風になってきたといえますが、1巻の頃の絵が好きだったヒトにとっては複雑な気持ちになるでしょうネ。
あたし自身の個人的なシュミで言うと、実のところ、今の絵の方が好みです。
それに初期の頃の絵は、線が多くて、数をこなしにくい絵でしたので、連載の都合上、今の絵の方が合理的です。

 



それよりも3巻の絵を見て感じたのは、
キャラがどんどん椎名高志風になっている、、、!
ということでしょうか(^^;
←絶対可憐チルドレンにでてきそうなキャラw


  
  
  
 
 
もう一つ、あたしが楽しんでいる点が、累が顔を盗むことによって、
普通、美女キャラはそういう表情しねえだろ!
という顔のカットが出てくることですネ。
たとえば、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、これ。→
※ニナ(中は累)が、舞台の稽古の様子を見に来た累(中はニナ)に演技力の違いを見せつけるシーン。
 松浦センセ! もっとこういうカットが見たいです!w
ちなみに、あたしの場合、ママとの料理対決(勝率はイタリア軍並み)でたまにパパにほめられたりすると、こういう顔してますネ、、、タブンw

著者の松浦だるま先生はどういう人物なのか、興味は尽きないですネ。
もしかすると、松浦だるまという人物そのものが、他の漫画家によるなりすましという虚構の存在で、累という作品はそのメタ・フィクションなのではないかと考えてしまいます。
また、累のキャラから、松浦先生自身も同様のいじめを受けた体験があるのではないか、という推測もあるようですが、あたしはそれは安直すぎると思ってしまいます。
あたしが想像する松浦だるま先生は、、、
実はけっこう女優バリの美女で
「器量の悪い女性が、美女と顔を交換できる魔法が使えたらどうするか想像だけで描きました」
なんて笑顔で言うタイプだったりするんじゃないかなー、、、なんて。

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だって白さは愛だもの
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女性
自己紹介:
生まれは北海道。親の転勤によって道内のほか、東京、千葉のあちこちを引越ししたため、「故郷」という感覚が希薄な根無し草人生。現在は神奈川在住。
小さいときから本と映像作品の虫。徹底的インドア派。
今も映画・アニメ・マンガ・PCは大好き。歴史・SF・メカ・生物・ミリタリーなど全般に光速の食いつきをみせる。

このブログは、あたしの物欲・知識欲・性欲によって支えられていますw

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