人生とは・・・死ぬまでの暇つぶし・・・とか悟っちゃったりなんかしたりして。
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映画「はやぶさ」観てきたあたしです。皆さん、こんにちは。
http://movies.foxjapan.com/hayabusa/index.html
元々、それほど興味がひかれる映画ではなかったのですが、「ライフ」を観たときに予告編が流れてちょっと気になったので、2週続けて映画館に足を運びました。
http://onelifemovie.jp/index.html
で、観終わってみると、予想していたよりも面白い映画でした。
上映時間約2時間30分の長丁場ですが、時間を忘れて観入ってしまいました。
普通、こういう映画は、大急ぎであらすじを説明している単調なものになりがちです。
しかし、さすが人類史上初のプロジェクトを題材としているだけあって、打ち上げ後の皆さんお待ちかねェェェ!!のトラブル続出は、充分、映画並みにスリリングといえるでしょう。
あくまでもあたしの個人的な感想ですが、映画としてのひねりを抑えて、関係者たちの証言や記憶をほぼそのまま映画に落としこんだらこうなった、という感じを受けました。
架空の女性を主人公にして、彼女をはやぶさチームの一員として紛れ込ませることで物語を語らせるという手法は、ノンフィクションに適度にフィクションを混ぜて、物語調のドキュメンタリーにすることに成功してると思います。
ヨレヨレになりながら地球に帰還して、大気圏突入で燃え尽きる人工衛星の最期には、あたしも不覚にも涙が出てしまいましたが、人工衛星が壊れるシーンでこんなに涙を誘う映画も珍しいんじゃないでしょうか。
・・・と、映画は意外にも泣ける感動作だったのですが、はやぶさ帰還前後の現実の社会では、ちょうど事業仕分けで宇宙開発予算が削られたり、レンホーさんの「2位じゃだめなんですか?」発言がマスコミを賑わせていた時だったことは、まだ記憶に新しいことと思います。
結局、「1位を目指す気概がないなんて技術的敗北主義思想だ!」と言わんばかりの世論のムードが作られて、理研のスパコン開発が無理やり推進になったりしたのですが、はやぶさの帰還もこういった政治利用されてしまったとその時からあたしは感じていて、帰還の際のちょっとしたお祭り騒ぎに対して複雑な思いを感じていました。
映画の中でも、西田敏行扮する主人公の上司と文部科学省の担当官が予算の打ち合わせをするシーンが何回か挿入されていて、西田さんがトボけた演技で予算をねだるちょっとコミカルな演出がされていますが、本当はこういったところにもすごいドラマが展開されていたのではないかとあたしは思うのです。
映画の中で、日本のロケット開発の父といわれた糸川博士は「失敗でも『成果』と言っていた」と紹介されます。
無論、これは「失敗の中からでも学ぶことはある」という学究の精神を示していると思いますが、使い方を間違えると高価なロケットや人工衛星を失って甚大な損失が発生しても「成果」と言い換えてしまえるともとれます。
えてして科学者という人種は、その研究の経済的意味を軽視してお金を使いたがる傾向が強いように思うので、どんなに素晴らしく誇らしい成果をあげたとしても、費用対効果としてどうなのか?という視点での監視は常に必要で、理屈に合わないナショナリズムや感情は判断から排除すべきだと思います。
ノーベル賞受賞科学者が連名の嘆願書まで作って、仕分けから逃れた理研のスパコン「京」も世界一の性能を発揮して新聞をにぎわしましたが、「京」に投じられた予算1200億円は、2位以下のスパコンの2~5倍というお値段だったということはさほど報道されませんね。
外国が「京」並みの費用をかけたらもっとすごいスパコンを作れたんじゃ?となるからだと思いますが。
そうなると、値段も性能も”世間並み”のスパコンにしておけばよかったんじゃないの?ということで、レンホーさんの発言も常識的な発言だったことになると思うのですが、、、。
あたしはレンホーさんに特に好意はないですし、彼女がスパコンに対して無知なまま仕分けに切り込んだことは間違いないと思いますが、「量販店で5万円で買えるパソコンでは物足りないので、10万円のパソコンをオーダーメイドします」と言われたら、「5万円で我慢して、浮いたお金を生活費に回しましょう」と言うのは彼女の仕事上、当然の対応だと思います。
本来ならば、理研は5万円で世界一を目指すことに知恵を絞るべきでした。
理研はその努力をせずに計画変更のたびに予算を増額して、無駄に高いスパコンを作ってしまったわけですが、数年後には「京」より安いスパコンにあっさり首位を明け渡すことでしょう。結局、この予算1200億円は、理研とその御用学者と富士通がウマウマして終了です。
我が国の科学技術は、他国よりも絶対性能は劣っても安くて小さくて軽くて省エネという方向性で行くことが、国民性にも合っていてベストだとあたしは思います。
はやぶさも「2」がJAXAで開発中だそうで、予算を増やすべき、という声が上がっているようです。※署名活動も行われたと聞きました。
別に予算を増やすことが悪いわけではないのですが、理研のスパコンみたいなことにはなってほしくないものです。
初代はやぶさの総コストは210億円だったそうですが、小惑星の破片を持ち帰ることに対するコストとして妥当なのかは判断が分かれるところだとは思います。※ちなみに、アメリカが計画している火星への無人探査機のプロジェクトの予算は、はやぶさの5倍とか、、、さすがアメリカさんの燃費はすげーや (;^_^A
理研の無駄遣いに比べるとかわいいもので、はやぶさの現場の人たちのコストダウンに対する努力は並々ならぬものだったと思いますが、あたしとしては、心を鬼にして「コスト1割カットでもうひとつ小惑星いけませんか?(^-^)」と文科省の担当官にはがんばってほしいなぁと思うのでした。
尚、映画「はやぶさ」は来年、全米公開されるそうなのですが、アメリカの観客にあの「涙の大気圏突入シーン」は理解されるのか非常に不安なのはあたしだけでしょうか。
たぶん、歓声が上がって口笛吹きながら大喜びなんじゃ・・・? (;^_^A と思うあたしなのでした。
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小さいときから本と映像作品の虫。徹底的インドア派。
今も映画・アニメ・マンガ・PCは大好き。歴史・SF・メカ・生物・ミリタリーなど全般に光速の食いつきをみせる。
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